今日は腰痛の要因のひとつになっている脚の筋肉についての話しです。
まず、股関節からみていきます。
股関節はいろいろな方向に動きますが、一番可動域が広いのは屈曲になります。
股関節の屈曲とは、直立している状態で体幹が固定されている(動かさない)場合、
股関節が上方に曲がり膝がからだに近づくことをいいます。
(屈曲 参考角度:125°)
この逆で、脚を固定されている状態で体幹を近づける動作は、前屈になります。
この時、股関節が硬ければ、股関節から曲がりづらくなり、腰がより多く曲がることになります。
また、太ももの裏のハムストリングスが硬いと同様のことがおこります。
前屈に近い動作が一日に数回であれば、大きな問題はないかもしれません。
しかし、からだを曲げる動作は思った以上に多いものです。
繰り返しが多いほど、
腰痛のリスクは上がります。
倉庫での軽作業、介護、荷物を運ぶ仕事をしていれば、なおさらです。
ハムストリングスの3つの筋肉、半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋は、すべて骨盤についています。
この筋肉が硬くなれば、骨盤を後方へ引っ張り、前屈しにくくなります。
そして、脚の前側の筋肉の大腿四頭筋のうち、大腿直筋もまた、骨盤についています。
この筋肉が硬くなれば、骨盤を前方へ引っ張り、後屈しにくくなります。
どうでしょうか。
脚の筋肉の前側と後ろ側だけみても、硬くなった筋肉は骨盤や股関節の動きを悪くし、
その結果、
腰に負担がかかりやすくなる。
ことが理解できると思います。
腰だけ揉んでも、たいてい一週間後には元に戻ってします。
その理由もここにあります。
日本人は骨盤後傾が多いと言われています。その要因のひとつが、先ほどご説明したハムストリングスが硬くなっていることです。
本来なら、骨盤が前方に動くべき動作の際、代わりに腰椎が無理に動かされます。
これと同じようなことが、回旋でもおこります。
しかし、
腰椎は回る構造にはなっていません。
どこが動くのかと言えば、それは股関節です。
回旋 参考角度:45°
屈曲の時と同様、股関節が硬くなれば、回旋の際も腰の負担が大きくなります。
動きを悪くする要因となる筋肉は他にもありますが、
当院では、まず前後、そして回旋の動きを重要視しております。
股関節付近の痛み、違和感を訴えるかたも多くいます。
脚長差は股関節に問題がある場合もあります。
その場合、まず股関節の可動域を確認します。時々股関節が痛くなることがある、違和感がある方は事前に教えてください。
股関節に問題がある場合、可動域に制限があることが多いです。
また、可動域がほぼ同じではあるけれど、あるところまでくると「抵抗感が急に増す」場合もあります。
通常のストレッチ以外にも関節包内運動の理論を用いて調整をすることもありますが、中には「ぽこっ」と音がでて動く場合もあります。
ただし、仙腸関節や臀部の筋肉の拘縮が原因で違和感や脚長差がでることもあります。
整形外科テストや筋肉の拘縮も確認します。
一回の施術では、数日後に戻ってしまう方もいます。股関節に限らないことですが、継続的なセルフケア、最低限のストレッチ、体操、エクササイズは必須になります。