症状
60代女性が腰痛と右足の痛みやしびれで来院。
1ヶ月前から歩行時に太ももの後面にかけて違和感がでてきた。
歩く距離が長くなってくると歩行が辛くなってくる。
神経支配S1領域に違和感あり。
整形外科では腰部脊柱管狭窄症と診断され、痛み止めが処方され、しばらく様子をみましょうということになった。
歩行時の痛みは、しばらく座って腰を丸めて休んでいると消え、再び歩けるようになる。
脚長差は4センチ、足首内反捻挫あり、腰椎伸展時に痛みが増す、間欠性跛行あり
施術内容
胸部、腰部の脊柱起立筋、臀部を拘縮を取る。
腰部を丸めるエクササイズ、
電気治療
コックスベッドを使用
現在、5回の施術を受けて状態は落ち着いており、歩行時のしびれはなくなっています。
ただし、痛みが消えたからといって、いままで通りの生活を送ると、
痛みが再発する可能性は高い状態です。
腰部を丸めるエクササイズや体操は習慣にしていく必要があります。
また、歩かないと体力が落ちると心配される人は多くいますし、歩くと腰痛が治ると信じている人もいます。
しかし、腰を反らすと痛みが増す人で、間欠性跛行がある人には、
しばらくの間は歩かないように指導させていただいています。
症状が軽いうちであれば、手技やエクササイズ、生活習慣を見直すことで大幅によくなることがあります。
しかし、骨粗鬆症の方で既に身長が5センチ以上縮んでいる場合は、
椎間孔の狭窄の可能性が高く、手技だけでは改善しにくい傾向があります。
また、痛みはからだからの警告ですから、痛み止めを飲んでいる時に、いままで通りからだを動かすと悪化させる可能性は高くないます。
からだが休養を要求しているのに、過酷な仕事を続ける。競技スポーツを続ける。このことはとても危険であることを理解してほしいです。本来であれば休養すべきなのです。
神経症状を手技で改善させるということは、そもそも難しいことで、術者と患者が協力していく必要があります。
最後に、腰痛になると「瘦せなさい」と言われることが多いようです。
BMIは30は切るようにしたほうがよいと思われます。
しかし、食事を抜くような、急激なダイエットは筋肉、筋力を減少させ、腰痛が悪化する可能性もあります。
一般的には、痛み止めや物理療法で改善がされない場合、手術を勧められる可能性が高くなることは理解しておいたほうがよいでしょう。